☆ 認知症の家族を在宅介護する時の注意点
認知症の高齢者のケアはプロの介護士でも手を焼くこともあり、まして介護の知識も少ない家族ではその大変さは言葉に尽くせないほどです。
認知症の高齢者を自宅で介護するのには身体的にも精神的にも大きな負担が生じやすく、介護を苦にした心中や殺人など大きな社会問題を引き起こす一因となっています。
信頼できる病院を探し、適切な治療を受けましょう
認知症介護による共倒れを防ぐためには、まず高齢者の認知症を専門家に診察してもらうことが先決です。認知症の有無、種類、進行度により介護方法や対処法は全く違ってきます。
老人性認知症の診察を多く手掛けている病院で、正確な診断を受け適切な治療を行うことで、認知症状が劇的に改善することはよくある話です。
認知症の人は、その症状から自らの症状を伝えることができません。例えば医師が認知症の度合いを判断するために「100-7、93-7はいくつですか?」と質問すると、「人を馬鹿にしている!!」と憤慨する患者さんや計算が出来ないことに愕然とし、混乱や気分の落ち込みを生ずることもあり、正しい診断に至らないケースも多くあります。
そのため、認知症の診断には家族からの情報が不可欠です。病院に受診する際には
・ 症状や異常行動がどういったものなのか
・ 何が出来て、何が出来ないのか
・ 介護をしていて何に一番困っているか
・ 医師に聞きたいこと・相談したいこと
などを診察前にノートに書き記しておきましょう。そうすることで医師にお年寄りの様子を詳しく的確に説明することができ、より正確な診察を行うことができます。
認知症の介護を少しでも「楽な介護」で
高齢者の介護と介護者の生活・健康を守るこはセットで考えるようにしましょう。介護というと認知症の人の心に寄り添うことが一番に考えられるのですが、時と場合によっては介護者の生活や健康を優先しなければならない場面も多くあります。
介護者にも人生があり、介護の他にもしなくてはならない日々の仕事は数多くあります。介護を一番に考えるのならば、まず、介護者の心身の負担を最小限にとどめることが大切です。介護者の負担を軽減するためには、各種の介護保険サービスを最大限に活用する。例えばデイサービスを利用し日中の介護者の介護の負担の軽減を図る。お泊りデイやショートステイを利用して夜間の介護者の介護の軽減を図る。必要であれば、グループホームなどの施設を利用するのもよいでしょう。
施設に預けることは介護を放棄することではなく、高齢者と介護者の精神衛生のため、よのよい関係で介護を行っていくために必要な手立てであって、後悔や後ろめたさを感じる必要はありません。離れて暮らしているからこそ出来る介護は沢山あります。頻繁に面会し、高齢者と思い出話をしたり、家族の笑顔を見せるだけでも、高齢者にはとても嬉しいひと時になります。
高齢者も介護者も笑顔で楽な介護を続けていく事が、認知症の介護に一番大切なことと言えるでしょう。
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